アリューシャン病(ADV)
概要
フェレットにおけるウイルス性の多臓器/全身疾患。アリューシャン病は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
フェレットにおけるアリューシャン病の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
アリューシャン病ウイルス(ADV)。感染フェレットの唾液・尿・糞便から伝播。ミンクでの歴史的重要疾患。フェレットでの発症率は変異株により異なる。
病態生理
アリューシャン病ウイルス(パルボウイルス科)の持続感染→免疫複合体沈着(III型過敏反応)→糸球体腎炎・動脈炎・肝炎→高ガンマグロブリン血症→進行性消耗→死亡。慢性消耗性疾患。
診断
血清蛋白電気泳動でγグロブリンの著明な多クローン性上昇(>20% TP)を確認。ADVに対するCEP法(対向免疫電気泳動)またはELISA抗体検査でスクリーニング。PCR検査(血液・糞便・唾液)でADV DNAを検出し確定。CBC・血液生化学でTP上昇(>7.5 g/dL)・高グロブリン血症・腎機能障害(BUN・Cre上昇)・非再生性貧血を評価。尿検査で蛋白尿(免疫複合体性糸球体腎炎)を確認。腹部超音波で脾腫・腎腫大・腸間膜リンパ節腫大を検索。慢性消耗・後肢不全麻痺・メレナなど多彩な臨床像を示す
治療
尿検査/培養に基づく適切な抗菌薬療法、飲水量の増加、疼痛管理、結石が関与する場合の食事変更。
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予防
フェレットにおけるアリューシャン病の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
臨床型ADVの予後は不良。有効な治療法は存在しない。進行性消耗・腎不全に至った場合は安楽死が考慮される。支持療法(輸液、栄養管理、免疫抑制療法の試み)で一時的な安定が得られる場合がある。無症候キャリアの場合は正常な寿命を全うすることもある。ADV陽性フェレットは集団への感染源となるため、新規導入時の抗体スクリーニングが推奨。ワクチンは存在しない (Welchman DdeB et al. Vet Rec 1993;132:479-484)。
関連する薬品
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