肺炎
概要
細菌または真菌による肺の感染症です。Pseudomonas、Bordetella、Streptococcusが原因となることが多いです。
主な症状
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臨床徴候
チンチラにおける細菌性肺炎の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。 呼吸器症状(咳・くしゃみ・鼻汁・呼吸困難)が前景となり、進行例では肺炎徴候を呈する。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
チンチラにおける肺炎の原因: 細菌感染(Bordetella bronchiseptica, Streptococcus spp.等)が主因。高湿度環境、換気不良、過密飼育、ストレスが素因。誤嚥性肺炎も起こりうる。
病態生理
肺炎はチンチラにおける重篤な呼吸器疾患である。気道・肺実質の炎症と滲出液蓄積によりガス交換が障害され低酸素血症を引き起こす。チンチラは呼吸器症状を隠す傾向があり、発見時にはすでに進行していることが多い。重症例は急速に呼吸不全に進行しうる。
診断
呼吸困難・鼻汁・食欲低下・元気消失を主訴に検査。胸部聴診で捻髪音・湿性ラ音を確認し、呼吸数増加を記録(チンチラ正常40-80回/分)。胸部X線で肺野の浸潤影パターン(気管支肺胞型/間質型)を評価。CBC(好中球増加・左方移動)・血液生化学で全身性炎症を確認。気管洗浄液の細菌培養・感受性試験で起因菌を同定(Pasteurella・Bordetella・Streptococcusが多い)。環境温度>25℃での熱ストレスによる免疫低下が素因。抗菌薬選択ではペニシリン系経口投与に注意が必要。
治療
【チンチラの細菌性肺炎】■原因: Bordetella、Streptococcus、Klebsiella、Pseudomonas。■治療: 培養・感受性に基づく選択。エンロフロキサシン 10 mg/kg PO/SC q12h×14-21日。TMS 30 mg/kg PO q12h。クロラムフェニコール 50 mg/kg PO q12h(重症)。ネブライゼーション。酸素。■注意: ペニシリン・セファロスポリン経口禁忌。■予後: 早期→良好。■参考文献: Quesenberry & Carpenter 2012; Mans & Donnelly 2013
予防
チンチラにおける細菌性肺炎の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
チンチラにおける細菌性肺炎の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
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