甲状腺腫
概要
ヨウ素欠乏による甲状腺の腫大で、種子食のセキセイインコに多い。
主な症状
原因
必須栄養素の欠乏または過剰摂取が原因であり、不適切な食事組成、吸収障害、代謝異常、需要増大(成長期・妊娠期・泌乳期)が関与する。ビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・必須脂肪酸の不均衡は骨格発育異常、免疫機能低下、皮膚疾患、神経障害など多彩な臨床症状を引き起こす。種特異的な栄養要求量の無視が主因となる。
病態生理
栄養性疾患の病態生理は必須栄養素の不足による生化学的経路の障害に基づく。カルシウム/リン不均衡では二次性副甲状腺機能亢進症により骨吸収が促進され、骨軟化・病的骨折が生じる。ビタミン欠乏は各ビタミンが関与する酵素反応の障害をもたらし、特異的な臨床症候群を引き起こす。タンパク質-エネルギー栄養障害では異化亢進、免疫機能低下、創傷治癒遅延が生じる。
治療
甲状腺腫の治療: ヨウ素補充が主要治療 — ルゴール液を飲料水250mLに1滴、またはヨウ化ナトリウム0.5mg/kg PO 1日1回。気管圧迫による急性呼吸困難時: 酸素投与、デキサメタゾン2-4mg/kg IM単回(腫脹軽減)、重度浮腫にはフロセミド。種子食のみの食事からヨウ素含有量が適切なペレット食への転換。血液検査で甲状腺機能低下が確認された場合はレボチロキシン(T4)0.02mg/kg PO q12h。支持療法: 保温28-30℃、脱水があればSC輸液。多くの症例はヨウ素補充で2-4週間以内に改善。X線で甲状腺サイズをモニタリング。持続的な気管圧迫を伴う重症例は外科的縮小術を検討。
予防
種特異的な栄養要求量に基づいた適切な食事の提供が最も基本的な予防策である。商業用総合栄養食の使用、手作り食の場合は獣医栄養学専門医による栄養設計、成長期・妊娠期・高齢期に応じた栄養調整が必要である。特定の種(モルモットのビタミンC、草食動物の繊維質)の固有な栄養要求を理解し、サプリメントで補完することが重要である。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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