パチェコ病(オウム目ヘルペスウイルス)
概要
鳥におけるウイルス性の肝臓/胆道疾患。パチェコ病は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
鳥におけるパチェコ病の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
鳥に病原性を示すヘルペスウイルス(オウム目ではPacheco病を起こすサイタシドヘルペスウイルス等)の感染による。糞・呼吸器分泌物やキャリア鳥を介して伝播する。
病態生理
ヘルペスウイルスは肝・脾を主標的に急性壊死性病変を起こし、しばしば前駆症状を欠いて突然死する。回復鳥はキャリアとなりウイルスを排出し続ける。
診断
PCR検査(肝臓・脾臓組織またはクロアカスワブからのPsittacid alphaherpesvirus DNA検出)。血清学(中和抗体価測定:潜伏感染の検出)。CBC(白血球減少・ヘテロフィル減少)・生化学(AST・LDH著明上昇は急性肝壊死を反映)。剖検では肝臓の急性壊死(黄色壊死巣)・脾臓壊死が特徴的で、組織病理ではherpesvirus型の核内封入体(Cowdry type A)を確認。コンゴウインコ・アマゾンインコで高致死率。ストレス誘発性の潜伏感染再活性化に注意。
治療
パチェコ病(Psittacid Herpesvirus 1 — PsHV-1)。オウム目に致死的な急性肝炎。★突然死が多い★。■臨床症状: 急性: 食欲不振→嗜眠→黄色尿酸塩→突然死(24-48時間以内)。 亜急性: 嘔吐、下痢(血便)、鼻汁。肝壊死。■診断: 肝臓PCR。病理(肝壊死 + ヘルペス封入体)。■治療: アシクロビル 80 mg/kg PO q8h × 7-14日(暴露群の予防投与にも使用)。 ★腎毒性に注意 — 十分な水分摂取を確保★。 支持療法: 積極的輸液(SC/IV)、保温、強制給餌。 肝保護: シリマリン。ラクツロース(肝性脳症時)。 二次感染: エンロフロキサシン 15 mg/kg PO q12h。■感染管理: 同居鳥にアシクロビル予防投与。隔離。消毒。 ★潜伏感染のキャリアが存在(コニュア属が多い)★。■予後: 急性型→不良(致死率高い)。早期アシクロビル→改善例あり。参考文献: Tomaszewski EK et al. (2003); Ritchie BW (1995).
予防
鳥におけるパチェコ病の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
鳥におけるパチェコ病の予後は病原体の毒力・宿主免疫状態・治療開始時期・基礎疾患の有無により大きく異なる。早期診断と適切な抗病原体療法・支持療法により多くの感染症は良好な予後となる。宿主の免疫抑制・若齢・高齢・多臓器不全併発例は予後不良となりうる。再発・慢性化・薬剤耐性発現も予後に影響する重要因子である。
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