卵塞(難産)
概要
閉塞、筋力低下、カルシウム欠乏、環境要因により卵を排出できない状態です。
主な症状
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臨床徴候
爬虫類における卵詰まり(難産)の臨床徴候は生殖器病態により異なる。子宮蓋膿症: 多飲多尿・嘔吐・元気消失・腹部膨満・陰部分泌物(開放型)または無症候進行(閉鎖型)。乳腺炎: 乳房腫脹・疼痛・発熱・乳汁異常。前立腺疾患: 排尿困難・血尿・排便困難・後肢跛行。難産: 分娩遷延・努責持続・分娩間隔異常・母体ぐったり。妊娠中毒症: 終末期妊娠の元気消失・食欲不振・神経症状。
原因
爬虫類の卵塞の原因:閉塞性:過大卵・奇形卵、骨盤腔異常、以前の骨盤骨折、卵管瘢痕化(先行感染)。非閉塞性:低カルシウム血症(>75%の症例)、脱水、繰り返し産卵による筋疲弊、不適切な温度(至適産卵温度に達していない)、不適切な産卵場所、ストレス、卵管無力症。
病態生理
卵塞は機械的閉塞(卵サイズが骨盤腔を超える)か卵管平滑筋の神経筋機能不全(カルシウム依存性収縮障害)で生じる。長期停滞は卵管進行性拡張、血管障害→虚血、粘膜破綻による細菌易位、卵管穿孔→体腔炎のリスク。卵黄破裂は化学的腹膜炎;細菌性体腔炎は敗血症→死亡に至る。妊娠時の高カルシウム需要に対応する補給が必須。
診断
X線で卵の数・サイズ・位置・石灰化程度・形態異常(奇形卵・癒合卵)を評価。超音波で卵殻の完全性・卵管壁の状態・自由液体(卵管破裂)を確認。血液生化学(iCa→低カルシウムは子宮収縮不全の原因、UA→腎機能)をPOTZ内で採血。CBC(ヘテロフィル増多→卵管炎・敗血症の評価)。総排泄腔の内診で卵の触知・骨盤腔通過の可否を判定。環境温度・産卵場所の適切性を評価。
治療
爬虫類の卵塞治療:1) 安定化:温浴(至適温度で20-30分)、輸液(IV/IC結晶液50-100 mL/kg/日)、鎮痛(メロキシカム0.1-0.2 mg/kg IM q24-48h、ブプレノルフィン0.01-0.03 mg/kg IM q8-12h)。2) 内科管理(非閉塞性のみ):グルコン酸カルシウム50-100 mg/kg IV/IC(10-15分かけて緩徐投与)、オキシトシン1-10 IU/kg IM ×1-2回(非閉塞性、総排泄腔開放、機械的閉塞なし確認時のみ)。温浴を4-6時間毎×24-48時間。レントゲン/超音波で排卵確認。3) 閉塞性または難治性:全身麻酔(プロポフォール5-10 mg/kg IV またはアルファキサロン5-10 mg/kg IV、イソフルラン維持)。手術選択肢:a) 経皮的卵穿刺吸引(表在性の卵);b) 卵管切開術;c) 卵巣卵管摘出術(重度の卵管損傷/感染/壊死)。4) 抗菌薬(感染疑い時):エンロフロキサシン5-10 mg/kg IM/IV q48h またはセフタジジム20-40 mg/kg IV q72h。5) 術後:輸液継続48-72時間、メロキシカム7-10日間、食欲監視、強制給餌検討。
予防
適切な産卵場所の提供、至適温度とカルシウム栄養の維持、十分な水分補給の確保、非繁殖雌の避妊手術の検討。
予後
合併症前に迅速に治療すれば予後良好。卵黄体腔炎や敗血症を伴う遅延例は予後要注意〜不良。卵巣卵管摘出術で再発を予防。
関連する薬品
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