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インコ (Parakeet) 内分泌 中等度

甲状腺腫

Goiter (Thyroid Hyperplasia) / 甲状腺腫

概要

インコにおける栄養性の内分泌/代謝疾患。甲状腺腫は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。

主な症状

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臨床徴候

インコにおける甲状腺腫の臨床徴候は罹患臓器と腫瘍の種類により多様。一般的所見: 進行性の腫瘤形成・体重減少・食欲不振・元気消失・貧血。体表腫瘤では触知可能な腫脹・疼痛を、内臓腫瘍では腹部膨満・嘔吐・下痢・呼吸困難・リンパ節腫大などの非特異的症状を呈する。傍腫瘍症候群として高カルシウム血症(リンパ腫・肛門周囲腺癌)や低血糖(インスリノーマ)を合併することがある。

原因

ヨウ素欠乏(シード食のみ→ヨウ素不足)。セキセイインコに最も好発。ペレット食では稀。

病態生理

ヨウ素欠乏→甲状腺の代償性過形成→甲状腺腫大→気管/食道/そのうの圧迫→呼吸困難・吐出・嚥下困難。セキセイインコでシード食の場合に好発。

診断

頸部触診で甲状腺腫大を評価し、気管圧迫によるチアノーゼ・開口呼吸を確認。X線撮影で気管狭窄・甲状腺陰影の拡大を描出。CBC・生化学で有核RBC評価・肝機能を確認。食餌歴でヨウ素欠乏(種子食のみ)を聴取し栄養性甲状腺腫を疑う。超音波で甲状腺サイズを測定(正常セキセイ: 1-2mm)。鑑別として甲状腺腫瘍・気嚢炎・トラキアマイトを除外。ヨウ素補充への反応(48-72時間以内の改善)が治療的診断となる。

治療

ヨウ素補充が大部分の症例で根治的。ルゴール液: 2%溶液1滴を飲水250 mLに添加し2-4週間、その後維持量(500 mLに1滴)に減量。急性呼吸困難(気管圧迫): 生理食塩水ネブライゼーション、酸素補充、ヨウ化ナトリウム0.1 mg/kg IV/IMで速効性ヨウ素補給。食餌をシード食からペレット食(Harrison's, Roudybush等)に転換することが長期的解決に不可欠—シードはヨウ素が本質的に不足。2-4週かけて段階的に転換し食事摂取量と体重をモニタリング。内科的管理にもかかわらず持続する重度呼吸困難では、まれに外科的減量が必要。甲状腺機能低下症が確認された場合のみレボチロキシン0.02 mg/kg PO q12h。4-6週後にレントゲンで甲状腺腫退縮を評価。

予防

バランスの取れた食事(ペレット主体+野菜)。ヨウ素サプリメント(飲水へのルゴール液添加)。

予後

インコにおける甲状腺腫の多くは原因栄養素不均衡の是正により良好予後。早期に適切な食事矯正とサプリメント補充開始で多くの臨床症状は可逆的。急性ビタミンC欠乏(モルモット壊血病)は補給開始後24-48時間で臨床改善開始。代謝性骨疾患(MBD): 早期介入で進行抑制可能だが、骨格異常の完全回復は困難。重度の慢性栄養失調による発達異常・臓器障害は不可逆的な場合あり。飼育者教育による再発防止が長期予後の鍵。

関連する薬品

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