腎不全
概要
高タンパク食のイグアナやその他のトカゲに多い進行性の腎不全です。
主な症状
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臨床徴候
トカゲにおける腎不全の臨床徴候は病態と進行段階により異なる。慢性腎臓病: 多飲多尿・体重減少・食欲不振・嘔吐・口臭・脱水(早期は無症候)。急性腎障害: 無尿/乏尿・嘔吐・元気消失・電解質異常。下部尿路疾患(FLUTD/FIC): 頻尿・排尿困難・血尿・排尿時痛・不適切排尿、雄では尿閉(緊急)。尿路感染: 頻尿・血尿・濁尿・発熱(腎盂腎炎時)。
原因
トカゲにおける腎不全の原因はネフロンの進行性損傷、尿路の閉塞・感染、または特発性の下部尿路炎症反応である。加齢、慢性脱水、腎毒性物質曝露(NSAID・抗凍液・ユリ・特定の抗菌薬)、全身性高血圧、糖尿病性腎症、免疫複合体性糸球体腎炎、遺伝性腎構造異常、ストレス関連の神経内分泌障害が主要リスク因子。早期は無症候性に進行するため、定期的な腎機能スクリーニング(SDMA・尿比重・尿蛋白)が重要となる。(トカゲは種別POTZ維持、UV-B不足に注意)
病態生理
トカゲにおける腎不全の病態生理はネフロン進行性喪失または尿路機能障害により展開する。CKD: 機能ネフロン減少→残存ネフロン過剰負荷→糸球体高血圧・蛋白尿→更なるネフロン傷害という悪循環を形成する。二次性に高リン血症、二次性副甲状腺機能亢進症、貧血(エリスロポエチン低下)、全身性高血圧、尿毒症性中毒物質蓄積が起こる。FLUTD/FIC: 神経内分泌系の慢性ストレス応答が膀胱壁神経炎症・透過性亢進を引き起こし、自発的疼痛・排尿異常を生じる。
診断
腎不全の診断は、血液検査で尿酸上昇・P上昇・Ca低下・Ca/P比逆転を確認する。超音波検査で両側腎腫大・実質エコー輝度上昇(線維化/石灰化)を評価し、X線検査で腎臓周囲の石灰化を確認する。腎生検で糸球体腎炎・尿細管壊死・痛風結節・腎石灰沈着症を鑑別する。爬虫類は腎門脈系を有するため後肢からの腎毒性薬剤投与歴を確認する。レオパードゲッコー・イグアナに好発し、脱水と高蛋白食が主要リスクファクターである。
治療
輸液療法、食事療法(腎臓食)、リン吸着剤、制吐薬、ACE阻害薬、貧血に対するエリスロポエチン。腎パラメーターの定期的モニタリング。
予防
トカゲにおける腎不全の予防は腎機能の早期スクリーニングと環境管理が中心。定期的健康診断(7歳以上は年1回、10歳以上は半年に1回)でクレアチニン・SDMA・尿比重・尿蛋白・血圧を評価。水分摂取量増加(ウェットフード・循環式給水器)、腎毒性物質(NSAID過量・抗凍液・ユリ・特定抗菌薬)の管理。FLUTD予防: ストレス軽減・低マグネシウム食・複数トイレ提供。歯科ケアによる細菌の腎播種予防。
予後
長期的には予後要注意〜不良。適切な管理で進行を遅延させることは可能だが、CKDは不可逆的。定期的モニタリングで生活の質を維持。
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