急性胃拡張
概要
ガスや液体による胃の急性拡張で、急速に心血管障害と死亡に至る可能性があります。
主な症状
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臨床徴候
ハムスターにおける胃拡張の臨床徴候は消化管病変の部位と病態により異なる。上部消化管: 嘔吐・吐血・食欲不振。小腸: 下痢(小腸性: 量多・回数少・体重減少を伴う)・嘔吐・腹痛。大腸: 下痢(大腸性: 量少・回数多・粘液・血便・テネスムス)。急性腹症: 強い腹痛・嘔吐・ショック徴候・腹部触診で腫瘤や緊張感(GDV・腸捻転・腸閉塞)は緊急評価が必要。
原因
ハムスターにおける胃拡張の原因は感染性、食事性、免疫介在性、機械的、機能的要因に分類される。感染性(細菌・ウイルス・寄生虫・原虫)、食事性(不適切な食材・異物・急激な食事変更・食物アレルギー)、免疫介在性(炎症性腸疾患IBD)、機械的(腸閉塞・腸捻転・腫瘍)、機能的(運動機能障害)が含まれる。草食動物では繊維質不足と急激な食餌変更が消化管うっ滞の主原因となり、種特異的な栄養要求の理解が重要。ストレス因子(環境変化・新規動物導入)も発症に寄与する。(ハムスターは低体温に脆弱、輸液は体温で温める)
病態生理
ハムスターにおける胃拡張の病態生理は消化管の運動・分泌・吸収・粘膜バリア機能の破綻により展開する。炎症性・潰瘍性病変では粘膜傷害→蛋白漏出・出血・吸収不良→低アルブミン血症・体重減少を生じる。閉塞・うっ滞(イレウス・GI stasis・GDV)では内容物貯留→腸管拡張・血流障害・細菌異常増殖→内毒素血症・脱水・電解質異常に進展する。膵・肝胆道病変では消化酵素・胆汁うっ滞による自己消化・全身炎症反応を惹起する。重症例では循環血液量減少性ショック・敗血症・多臓器不全に至る。
診断
急性の腹部膨満・苦悶・呼吸困難で来院。ハムスターは嘔吐不能であるため胃内容物の自然排出ができず、ガス・液体が急速に蓄積する。腹部X線で胃の著明な拡張を確認し、捻転の有無を評価。腹部超音波で胃壁の血流と内容物の性状を評価。経口チューブの挿入による減圧を試みるが、ハムスターのサイズでは5-8Frチューブを使用。頬袋(cheek pouch)内の食物詰め込みによる急性過食後発症が多い。血液生化学・乳酸値でショックの程度を評価。循環不全が認められれば緊急外科的減圧を検討する。
治療
【ハムスターにおける急性胃拡張】 急性胃拡張はハムスターにおける正確な臨床評価(病歴、身体検査、CBC・生化学、画像)から治療方針を決定。 基礎疾患の特定→特異的治療+支持療法の組み合わせが原則。 経過モニタリング: 主訴の改善、検査値の変化、QOLを2-4週毎に再評価。 複雑症例はハムスター専門医(ACZMまたはAVMAエキゾチック分科会等)に紹介を検討。 支持療法(小型哺乳類): 等張輸液 80-100 mL/kg/日 SC/IV、保温(26-28℃)、シリンジ給餌(Critical Care/Recovery 50-90 mL/kg/日を3-4回分割)、メロキシカム 0.5-1.0 mg/kg PO q12-24h で疼痛・炎症管理。 【鑑別と経過観察】類似症候を呈する疾患の除外と、治療4-8週後の再評価が予後改善の鍵。重症度・併発症によってはハムスターの専門医紹介を考慮する。
予防
ハムスターにおける胃拡張の予防は栄養管理と環境管理が中心。バランスの取れた高品質食、急激な食事変更回避、食物アレルゲンの特定と除去食。草食動物(ウサギ・モルモット・チンチラ・デグー): 高繊維チモシー乾草を給与量の80%以上、ペレット過剰摂取回避、新鮮野菜の段階的導入。異物誤食予防(玩具・包装材・植物の管理)。定期的駆虫、ストレス管理、適切なワクチネーション。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
関連する薬品
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