大腸菌性腸炎
概要
病原性大腸菌感染による急性下痢で、特に若齢やストレス下のデグーに多いです。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すデグーの他の疾患を確認できます
臨床徴候
デグーにおける大腸菌性腸炎の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
デグーにおける大腸菌性腸炎の原因: 創傷汚染、経口摂取、吸入、日和見的過剰増殖による細菌コロニー形成。ストレス、免疫抑制、不衛生、過密飼育、併発疾患が素因となる。
病態生理
病原性大腸菌は付着因子で腸上皮に定着し、エンテロトキシンや志賀毒素、内毒素により分泌性下痢・腸傷害を起こす。全身播種すると敗血症・多臓器障害を招く(特に新生子)。
診断
糞便培養(MacConkey寒天等)で病原性大腸菌を分離し、血清型・毒素産生能を同定。抗菌薬感受性試験で治療薬を選択。PCR検査で病原性因子(ETEC・EPEC等)を確認。CBC・血液生化学で白血球増多・脱水・電解質異常を評価。血糖値(正常値50-100 mg/dL)でストレス性高血糖と低血糖(重症下痢)の鑑別。糞便の直接鏡検で赤血球・白血球の有無から腸管浸潤の程度を判定。デグーでは糖分含有食による腸内細菌叢の撹乱が誘因となるため食餌内容を詳細に聴取
治療
輸液: 加温乳酸リンゲル液 10-15mL/kg SC q8-12h、中等度-重度脱水にはIP投与。抗菌薬(培養感受性試験に基づく選択推奨): エンロフロキサシン 5-10mg/kg PO/SC q12h、またはトリメトプリム-スルファ 15-30mg/kg PO q12h(第一選択)。経口βラクタム系は禁忌 — 後腸発酵動物では致死的ディスバイオーシスのリスク。消化管保護: スクラルファート 25-50mg/kg PO q8h。疼痛管理: メロキシカム 1-2mg/kg PO/SC q24h。プロバイオティクス: Lactobacillus属またはSaccharomyces boulardiiで盲腸フローラ回復。食欲廃絶時はシリンジ給餌(草食動物用クリティカルケア)で腸管運動維持。環境保温25-28℃。ケージの厳格な衛生管理(毎日の床材交換)。罹患動物の隔離。水和状態(皮膚ツルゴール、粘膜)と糞便排出量をq8-12hモニタリング。
予防
ケージの厳格な衛生管理(定期清掃・消毒)。過密飼育・社会的ストレスの回避。新鮮な水とチモシー主体の良質な食事の提供。新規導入動物の2-4週間検疫。若齢デグーのハンドリングストレス最小化。環境温度の安定維持。
予後
大腸菌性腸炎の予後: 急性消化器疾患は多くが治療に良好に反応。閉塞性疾患は早期外科介入で予後良好。慢性疾患は食事管理で長期管理可能。
関連する薬品
※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます
消化器の他の疾患(デグー)
VetDictでデグーの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。