代謝性骨疾患
概要
カルシウム・リン・ビタミンD3の不均衡による骨格変形と病的骨折。
主な症状
原因
筋骨格系機能に影響する食事の欠乏または過剰が原因。その他エキゾチックの食性は特定の栄養バランスを必要とする。不適切な食事が主要栄養素の欠乏・過剰をもたらす。紫外線・温度・水質などの飼育因子も栄養状態に影響しうる。
病態生理
その他エキゾチックの筋骨格系機能に影響する栄養欠乏または過剰は食事の不均衡に起因する。必須栄養素の不十分な摂取が細胞機能・組織修復・免疫能を障害する。その他エキゾチックの食性は特定の栄養バランスを必要とし、不適切な給餌が臨床疾患を引き起こす。慢性的な栄養不均衡は進行性の組織損傷・代謝機能障害・二次合併症をもたらす。
治療
両生類代謝性骨疾患(MBD/NSHP)の治療 — 飼育両生類で最も多い栄養性疾患; 二次性栄養性副甲状腺機能亢進症。【1】急性低Ca血症クリーゼ(テタニー/発作): グルコン酸カルシウム10% 100 mg/kg(= 10%溶液 1 mL/kg)緩徐ICe 2-5分(腹腔内 — 両生類では静脈投与実用的でない); イオン化カルシウム正常化まで q12h × 2-3回反復可能。徐脈モニタリング。【2】カルシウム補充(慢性是正): グルビオン酸カルシウム 23 mg/mL 経口懸濁液 10-20 mg元素Ca/kg PO q24h × 30-60日; または 炭酸カルシウム粉末を餌昆虫にまぶす毎給餌 — 指骨石灰化回復まで。食事Ca:P比 2:1 を目標。【3】ビタミンD3: ビタミンD3 100-400 IU/kg PO 週1回 × 4-6週間(注意 — ビタミンD過剰症は軟部組織石灰化を引き起こす; 欠乏症より危険)。ReptiSun 5.0/10.0 蛍光灯またはArcadia T5 による UV-B照射 1日12-14時間(適切な距離 25-40 cm)が 大半の種で経口D3より安全。ヤドクガエル等の日陰性種: 低強度UV-B(2.0-5.0 UVI)。【4】食事是正: 昆虫餌(コオロギ、ゴキブリ)を48時間以上高Ca食(Mazuri Hi-Ca Cricket Diet、炭酸Ca塗布野菜)でガットロード; 餌に炭酸Ca+ビタミンサプリ(Repashy Calcium Plus, Miner-All)を 幼体は毎給餌、成体は週2-3回 塗布。【5】支持療法: 運動制限(小型飼育容器 — 病的骨折予防)、柔らかい床材(湿潤ペーパータオル)、両生類リンゲル液浴 15-30分 q12h(水分補給+皮膚からのCa吸収可能性)、食欲廃絶時は強制給餌(Emeraid Carnivore スラリー 体重の2-3% q48h)。【6】疼痛管理: ブトルファノール 0.4 mg/kg SC q12h 骨折関連痛に。メロキシカム 0.2 mg/kg PO q24h は水分補正後のみ(腎懸念)。【7】モニタリング: 4-6週毎のX線で骨石灰化評価; イオン化カルシウム(参考値: 大半の種で 1.1-1.4 mmol/L)。骨折は副木固定または MS-222(150-200 mg/L)下の外科的ピン固定が必要な場合あり。参考文献: Wright & Whitaker 2001, Antwis & Browne 2009, Ferrie 2014, Densmore & Green 2007。
予防
予防: 適切なUV-B照射(ReptiSun 5.0/10.0 または Arcadia T5、距離25-40 cm、1日12-14時間、UV-B出力低下により電球は6ヶ月毎交換); 幼体は毎給餌、成体は週2-3回 カルシウム塗布+ガットロード餌; 食事Ca:P比 2:1; 多様な餌(コオロギ、ゴキブリ、ミミズ、アメリカミズアブ幼虫 — ミールワームのみは不可); ビタミンD3過剰補充回避; 種特異的飼育研究。
予後
予後: 早期診断と是正で中等度〜良好 — 軽度〜中等度脱灰は4-8週で改善。重度変形(後側弯、病的骨折)は不可逆; 罹患個体は疼痛フリー機能達成可能だが永続的骨格異常残存。急性低Ca血症テタニーは数時間以内の治療なしで予後慎重。
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