← トップへ戻る
馬 (Horse) その他 軽度

腺疫

概要

Streptococcus equi による上気道感染。下顎リンパ節膿瘍形成。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示す馬の他の疾患を確認できます

病態生理

腺疫(strangles)はStreptococcus equi subsp. equiによる馬の急性上部気道感染で、世界で最も一般的な馬の細菌感染症。経鼻/経口感染→咽頭リンパ節(下顎リンパ節、咽頭後リンパ節)で増殖→膿瘍形成。膿瘍の腫大→気道圧迫→呼吸困難(「strangles」の語源)。合併症:(1) bastard strangles(内臓播種、2-3%)、(2) 紫斑病(purpura hemorrhagica — 免疫複合体性血管炎)、(3) 喉嚢膿瘍(guttural pouch empyema — 慢性キャリアの原因)。極めて伝染性が強く、1頭の発症から厩舎全体に拡散する (Sweeney CR et al. JVIM 2005;19:123-132)。

予防

馬における腺疫の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。

予後

単純な腺疫は予後良好(90%以上が自然回復)。膿瘍の自壊を待ち、排膿を促進。抗菌薬(ペニシリン)の使用タイミングは議論がある(膿瘍形成前のみ有効、形成後は浸透不良)。bastard strangles(内臓播種)は予後注意〜不良。喉嚢膿瘍→慢性キャリア(鼻汁排出で他馬に感染→「silent spreader」)。厳格な隔離(3週間の検疫)と鼻汁の細菌学的陰性確認後の復帰が蔓延防止に必須 (Sweeney CR et al. JVIM 2005;19:123-132)。

その他の他の疾患(馬)

馬の全疾患を見る →

VetDictで馬の鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う
📋 馬の疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。