頸部リンパ節炎
概要
口腔内からの細菌感染の広がりによる頸部リンパ節の腫脹です。
主な症状
原因
病原体(細菌・ウイルス・真菌・原虫)の感染が直接的な原因であり、宿主の免疫力低下、過密飼育、不衛生な環境、慢性的ストレス、栄養不良、併発疾患が感染リスクを著しく増大させる。病原体の毒力と宿主の免疫応答のバランスが発症と重症度を決定する。若齢・老齢個体や免疫抑制状態では感染が重篤化しやすい傾向にある。
病態生理
病原体が宿主の防御機構を突破して組織に定着すると感染が成立する。病原体の毒素産生、組織侵入、細胞内寄生により直接的な組織障害が生じる。同時に宿主の免疫応答(炎症反���・補体活性化・サイトカインカスケード)が活性化されるが、過剰な免疫応答自体が組織損傷の原因となる場合がある。全身性炎症反応症候群(SIRS)から敗血症性ショック・多臓器不全への進行が最も危険な病態である。
治療
頸部リンパ節炎の治療: (1) 穿刺吸引細胞診 — 膿瘍を確認(モルモットの膿瘍は特徴的な乾酪様膿)。培養感受性試験に提出(最多はStreptococcus zooepidemicus、ランスフィールドC群)。(2) 外科的管理 — 膿瘍成熟後(波動触知): 鎮静(ミダゾラム0.5-1mg/kg IM + ブトルファノール0.2-0.4mg/kg IM)、切開排膿、膿瘍被膜を可能な限り掻爬(モルモットの膿は乾酪様で自然排出しにくい)。腔内をクロルヘキシジン0.05%またはポビドンヨード0.1%で BID洗浄5-7日間。二次治癒を促すため開放創のまま管理(一次閉鎖は再発のリスク)。(3) 全身抗菌薬 — TMS 15-30mg/kg PO BID 14-21日間(経験的第一選択)。耐性菌の場合: エンロフロキサシン5-10mg/kg PO BIDまたはクロラムフェニコール30-50mg/kg PO BID。重要: ペニシリン/アモキシシリン/アンピシリンは致死的 — βラクタム系は絶対禁忌。(4) 疼痛管理 — メロキシカム0.3-0.5mg/kg PO SID 7-10日間;重度疼痛にトラマドール5-10mg/kg PO BID。(5) 栄養サポート — 食欲不振時(リンパ節腫脹で嚥下困難の可能性)Oxbow Critical Care 50-80mL/kg/日を強制給餌。ビタミンC 50-100mg/日。(6) モニタリング — 肉芽組織が腔を充填するまで3-5日ごとに創部を評価。同部位または新規部位の再発に注意。罹患個体を隔離。
予防
適切なワクチネーションプログラムの実施、衛生的な飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間の設定が基本的予防策である。過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力の維持、ストレス軽減も重要である。感染動物との接触を避け、汚染された器具や環境の消毒を徹底する。定期的な健康診断による早期発見と早期治療が蔓延防止に不可欠である。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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