栄養性二次性副甲状腺機能亢進症
概要
トカゲにおける栄養性の内分泌/代謝疾患。栄養性二次性副甲状腺機能亢進症は適切な診断と治療管理が重要である。早期発見と適切な介入が予後改善の鍵となる。
主な症状
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臨床徴候
トカゲにおける栄養性二次性副甲状腺機能亢進症の臨床徴候はホルモン異常または代謝障害の種類により特異的パターンを示す。糖尿病: 多飲多尿・多食・体重減少。甲状腺機能亢進: 体重減少・多食・多動・心拍数上昇。クッシング症候群: 腹部膨満・脱毛・多飲多尿・薄い皮膚。アジソン病: 元気消失・嘔吐・下痢・電解質異常。低血糖: 振戦・痙攣・意識低下。早期は無症候性に進行することが多く、定期的内分泌スクリーニングが早期発見の鍵。
原因
トカゲにおける栄養性二次性副甲状腺機能亢進症(NSHP/代謝性骨疾患)の原因: 食事中のカルシウム:リン比の不均衡(低Ca・高P)、UVB照射不足によるビタミンD3合成障害、Ca・D3補給の不足。飼育下トカゲ(特に昆虫食・草食性種)で最も一般的な代謝性疾患の一つ。
病態生理
NSHPはトカゲにおける代謝性骨疾患である。低Ca・高P食とUVB/D3不足により血中Caが低下し、上皮小体ホルモン(PTH)分泌が持続的に亢進する。PTHは骨からのCa動員を促し、線維性骨異栄養症(骨の菲薄化・変形・病的骨折)、下顎の柔化(ゴムあご)、テタニー・振戦・後肢麻痺を生じる。
診断
血液生化学でiCa低値・P高値・ALP上昇を確認。可能であればPTH(副甲状腺ホルモン)の上昇を証明する。X線で全身性骨密度低下、皮質菲薄化、病的骨折(長骨・脊椎)を評価。DXA(二重エネルギーX線吸収法)が利用可能であれば骨密度の定量評価に有用。飼育環境調査(UVB波長・照射距離・交換時期、Ca:Pサプリメント、餌虫のガットローディング)が診断の鍵。イグアナ・フトアゴヒゲトカゲ・カメレオンの幼体で好発。成長期の個体では急速に進行する。
治療
【栄養性続発性副甲状腺機能亢進症(NSHP)】 ■ 病態: 食餌中のCa不足 and/or Ca:P比の不適切→慢性低Ca血症→PTH持続分泌→骨Ca動員→骨軟化。MBDの内分泌型。 ■ 症状: 骨軟化、病的骨折、顎の軟化、四肢変形。痙攣・振戦(低Ca性テタニー)。 ■ 診断: 血清Ca低値。PTH上昇(専門検査)。X線(全身性骨密度低下)。 ■ 治療: カルシウム補給(炭酸カルシウム 50-100 mg/kg PO SID)。ビタミンD3 200-1,000 IU/kg PO weekly。緊急時: カルシウムグルコン酸 50-100 mg/kg IV/ICe slowly。 ■ 食餌改善: Ca:P比 2:1の食餌。昆虫へのカルシウムダスティング。カトルボーン。 ■ UVB照射の確保(爬虫類に必須)。 ■ 予後: 食餌・環境改善で回復。骨変形は不可逆的。
予防
トカゲにおける栄養性二次性副甲状腺機能亢進症の予防は適正体重維持と適切な栄養管理が中核。糖尿病: 肥満予防(BCS 4-5/9)、低炭水化物食、定期運動、ステロイド長期使用の回避。甲状腺機能亢進症(猫): ヨウ素過剰摂取の回避、缶詰食のBPA曝露低減、年1回のT4スクリーニング(10歳以上)。クッシング症候群: 早期発見のための定期的臨床評価。アジソン病: 確立された予防法なし、症状の早期認識が重要。
予後
トカゲにおける栄養性二次性副甲状腺機能亢進症の予後はI-131治療で治癒可能(猫95%以上)、メチマゾール内服でも長期管理良好。
関連する薬品
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