ウエストナイル脳炎
概要
蚊媒介性ウイルス性脳炎。運動失調・筋振戦・行動変化を呈する。ワクチン予防可。
主な症状
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病態生理
ウエストナイル脳炎はフラビウイルス科ウエストナイルウイルス(WNV)による蚊媒介性脳脊髄炎。鳥類が増幅宿主(amplifying host)、蚊(Culex属)が媒介ベクター、馬は終末宿主(dead-end host)。ウイルスは蚊刺咬→局所増殖→ウイルス血症→血液脳関門通過→中枢神経系で増殖→灰白質の神経細胞壊死(特に脊髄腹角、脳幹)→運動ニューロン障害。臨床徴候:後肢の失調・筋攣縮(fasciculation)、平衡障害、嚥下困難、意識混濁、横臥→死亡。感染馬の約10%が神経症状を呈する。日本では2005年に輸入馬での発生があり、渡り鳥による持ち込みリスクが指摘されている (Ostlund EN et al. Vet Clin North Am Equine Pract 2000;16:427-441)。
予防
馬におけるウエストナイル脳炎の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
神経症状を呈した馬の致死率は25-45%。自力起立可能な馬は予後が良い(生存率>70%)。横臥(recumbent)となった馬は予後不良(生存率<20%)。特異的抗ウイルス治療はなく、支持療法(NSAID、輸液、吊り上げ装置での起立補助)が中心。回復馬の約40%に神経学的後遺症(後肢の軽度失調)が残存する。ワクチン(不活化WNV)が利用可能で、流行地域での年1回接種が推奨。蚊の繁殖地の管理(たまり水の排除)が環境予防の基本 (Ostlund EN et al. 2000)。
📚 参考文献
Based on articles retrieved from PubMed
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