腹膜炎
概要
腹膜の炎症・感染。重度の腹痛・全身症状。
主な症状
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病態生理
馬の腹膜炎は腹腔内への細菌汚染による全身性炎症反応で、原因:(1) 消化管穿孔(大腸捻転の虚血性壊死、胃破裂)が最多、(2) 子宮破裂(難産、分娩後子宮損傷)、(3) 直腸穿孔(直腸検査の合併症 — 馬に特異的)、(4) 術後縫合不全、(5) 腹部外傷。直腸検査(per rectal examination)による直腸穿孔は馬の臨床に特異的な医原性合併症で、発生率は0.03-0.3%とされるが致死的転帰をとりうる。腹水の細胞診(TP>2.5 g/dL、WBC>10,000/μL、変性好中球+細胞内細菌)が診断に重要 (Henderson ISF et al. Equine Vet J 2008;40:723-727)。
予防
馬における腹膜炎の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
原因の外科的是正が可能な場合の生存率は50-75%。広域抗菌薬(ペニシリン+ゲンタマイシン+メトロニダゾール)+腹腔洗浄が治療の柱。直腸穿孔→腹膜炎は早期発見(穿孔直後の外科的修復)で予後改善。胃破裂は予後きわめて不良(胃内容物の大量漏出→広範化学性+細菌性腹膜炎)。直腸検査時の丁寧な手技と十分な潤滑剤使用が穿孔予防に最重要 (Henderson ISF et al. Equine Vet J 2008;40:723-727)。
📚 参考文献
Based on articles retrieved from PubMed
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