炭疽
概要
Bacillus anthracis。急性敗血症型が多い。法定伝染病。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示す馬の他の疾患を確認できます
病態生理
馬の炭疽はBacillus anthracis(グラム陽性有芽胞桿菌)による急性敗血症。芽胞は土壌中で数十年生存し、経口(汚染牧草の摂取)が馬の主な感染経路。芽胞→栄養型に発芽→莢膜(ポリ-D-グルタミン酸)で食作用に抵抗→致死毒素(lethal toxin)と浮腫毒素(edema toxin)を産生→血管透過性亢進→出血性浮腫→敗血性ショック→DIC。馬では急性型(高熱、振戦、疝痛、出血)が多く、超急性型は突然死する。【法定伝染病・生物兵器】家畜伝染病予防法の対象。日本では近年報告は極めて稀だが根絶されていない (Turnbull PCB. Guidelines for the Surveillance and Control of Anthrax in Humans and Animals, WHO 2008)。
予防
馬における炭疽の予防は適切なワクチネーションプログラムの実施が中核である(利用可能な場合)。衛生的飼育環境の維持、新規導入動物の検疫期間設定(最低14日、感染症によっては60日以上)、過密飼育の回避、適切な栄養管理による免疫力維持、ストレス軽減が重要。感染動物との接触回避、汚染器具・環境の消毒(次亜塩素酸・アルコール系・第四級アンモニウム製剤を病原体に応じて選択)を徹底する。定期的健康診断による早期発見と治療が蔓延防止に寄与する。
予後
超急性型は致死的(発見時には死亡)。急性型は早期のペニシリンG大量投与(22,000 IU/kg IV q6h)で回復可能。治療の遅れは予後を著しく悪化させる。死亡個体は剖検禁止(芽胞の環境散布防止)→焼却処分。ワクチン(Sterne株生芽胞ワクチン)が流行地域で使用可能。【届出義務】家畜伝染病予防法に基づき直ちに都道府県に届出 (WHO 2008)。
📚 参考文献
Based on articles retrieved from PubMed
その他の他の疾患(馬)
VetDictで馬の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使うVetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。