敗血症
概要
血流を介した全身性細菌感染。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すハムスターの他の疾患を確認できます
臨床徴候
ハムスターにおける敗血症の臨床徴候は感染部位と病原体特性により多様だが、共通所見として発熱・元気消失・食欲不振・体重減少が認められる。局所感染では発赤・腫脹・疼痛・排膿を、全身感染では脱水・敗血症・多臓器不全に進展しうる。幼若・高齢・免疫抑制状態は重症化リスクが高く、早期介入が予後改善に直結する。
原因
ハムスターにおける敗血症の原因: 創傷汚染、経口摂取、吸入、日和見的過剰増殖による細菌コロニー形成。ストレス、免疫抑制、不衛生、過密飼育、併発疾患が素因となる。
病態生理
ハムスターの敗血症は全身性の細菌感染で、ウェットテイル(増殖性回腸炎)、子宮蓄膿症、膿瘍(歯根膿瘍、頬袋膿瘍)、咬傷感染が主要な原因。ハムスターは体格が小さく代謝率が高いため、感染から全身性炎症反応への移行が急速。エンドトキシン→SIRS→血管透過性亢進→低血圧→多臓器不全。体温調節能力が限られるため、低体温(<36°C)が敗血症の早期徴候となる。ハムスターは症状を隠す習性が強く、飼い主が気づいた時には既に重症化していることが多い (Lennox AM & Bauck L. 2020)。
診断
急性の沈鬱・低体温・呼吸促迫・全身性衰弱を評価する。末梢循環不全(肢端冷感・粘膜蒼白・CRT延長)を確認する。血液培養(微量で困難な場合が多い)または原発巣からの培養で起因菌を同定する。CBCで白血球増多または減少(重症度指標)、左方移動を確認し、生化学で多臓器障害(肝酵素上昇・BUN/Cre上昇・低血糖)を評価する。原発巣(子宮蓄膿・膿瘍・咬傷感染・肺炎)の検索が重要。ハムスターの敗血症は急速に進行するため迅速な対応が必要。
治療
ハムスターにおける敗血症の治療には、可能であれば培養感受性試験に基づく標的抗菌薬療法が必要である。結果待ちの間は経験的広域抗菌薬を開始する。抗菌薬治療期間は感染の排除と耐性予防に十分な期間とする。膿瘍や壊死組織には外科的排膿またはデブリードマンが必要な場合がある。支持療法として輸液、鎮痛薬、抗炎症薬、栄養サポートを行う。
予防
敗血症の予防には適切な衛生管理・消毒、利用可能なワクチン接種、創傷の迅速な処置、ストレス軽減、適切な換気、感染動物の隔離が含まれる。
予後
敗血症の予後: 適切な抗菌薬療法で多くが治癒可能。慢性・深在性感染は長期治療が必要。敗血症は予後要注意。
感染症の他の疾患(ハムスター)
VetDictでハムスターの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。