胃潰瘍
概要
ストレス、NSAID使用、ヘリコバクター感染による胃粘膜の糜爛と潰瘍です。
主な症状
原因
デグーにおける胃潰瘍の原因: 慢性的なストレス(不適切な飼育環境・単独飼育・過密飼育)、不適切な食事(高糖質食・低繊維食)、NSAIDの不適切な使用が主な原因。デグーは社会性の高い動物であり、社会的ストレスが消化管に影響しやすい。糖尿病併発時の代謝異常も胃粘膜障害のリスク因子となる。
病態生理
胃潰瘍はデグーにおける消化器疾患である。胃酸分泌と粘膜防御因子のバランスが崩れ、胃粘膜の糜爛・潰瘍が形成される。ストレスによる交感神経亢進が胃粘膜血流を減少させ、粘膜バリアを脆弱化する。進行すると出血(黒色便)、穿孔、腹膜炎を引き起こしうる。デグーは後腸発酵動物であり、消化管機能障害は腸内細菌叢の破綻と全身状態の悪化に直結する。
治療
ストレス因子の除去が最優先: 適切な集団飼育(デグーは群居性)、環境エンリッチメント、安定した日課の確保。消化管保護: スクラルファート 25-50mg/kg PO q8h(他経口薬の30分前、粘膜被覆効果)。酸分泌抑制: ラニチジン 2-5mg/kg PO q12h、またはオメプラゾール 0.5-1mg/kg PO q24h。疼痛管理: メロキシカム 1-2mg/kg PO/SC q24h(慎重使用 — NSAIDsは潰瘍を悪化させうる。3-5日に限定し消化器症状悪化時は中止)。輸液: 脱水時に加温乳酸リンゲル液 10-15mL/kg SC q12h。食事: 高繊維チモシー主体食に移行、糖分を含む全てのおやつを禁止(デグーは糖尿病好発種)。ヘリコバクター感染疑い時: 3剤併用療法 — メトロニダゾール 20mg/kg PO q12h + アモキシシリン(非経口のみ — 15mg/kg SC q12h、経口アモキシシリンは禁忌)+ 次サリチル酸ビスマス 0.5-1mL/kg PO q8-12h、14日間。糖尿病併発時は血糖モニタリングと厳格な食事管理。社会的パートナーの提供 — 単独飼育は慢性ストレスとなり潰瘍を悪化させる。 [ECVN:Block] 【補助療法オプション — Equine & Canine Vet Nutrition (caninevet.jp)】 • CPパウダー (プレバイオ+プロバイオ+サイリウム): 腸内細菌叢正常化・腸管バリア強化・腸腎連関 ※CPパウダー: 完全腸閉塞は禁忌
予防
集団飼育(2-4頭以上)の提供。環境ストレス因子の最小化(急激な変化、騒音、捕食者の存在の回避)。糖分を含まない高繊維チモシー主体食。NSAIDの長期使用回避。リスク動物の定期的な便潜血検査。環境エンリッチメント(ホイール、トンネル、採食機会の提供)。
予後
胃潰瘍の予後: 急性消化器疾患は多くが治療に良好に反応。閉塞性疾患は早期外科介入で予後良好。慢性疾患は食事管理で長期管理可能。
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