毛噛み(バーバリング)- 重症型
概要
広範な脱毛を引き起こす重度の自己または社会的バーバリング。ストレス、退屈、栄養欠乏を示す可能性があります。
主な症状
原因
皮膚バリア機能の破綻と局所微小環境の変化が発症の基盤にある。感染(細菌・真菌・寄生虫)、アレルギー反応、自己免疫疾患、内分泌異常による被毛・皮膚の変化、栄養欠乏、物理的刺激(摩擦、持続的湿潤)、環境アレルゲンへの曝露が原因となる。皮膚の常在菌叢バランスの破綻や免疫防御の低下が二次感染のリスクを高める。
病態生理
皮膚疾患の病態生理は表皮バリア機能の障害と免疫応答の異常に基づく。アトピー性皮膚炎ではフィラグリン変異等による表皮バリア破綻がアレルゲン侵入を容易にし、Th2偏向の免疫応答が炎症を持続させる。IgE架橋によるマスト細胞脱顆粒がヒスタミン放出と即時型反応を誘導する。細菌性皮膚炎では常在菌(特にStaphylococcus)の過増殖と毒素産生により膿疱・紅斑が形成される。
治療
重度のバーバリングは著しい行動学的ストレスまたは基礎疾患を示唆し、包括的介入が必要。【医学的除外(最優先)】皮膚掻爬でダニ検査。皮膚糸状菌培養(DTM)。血糖(糖尿病関連皮膚症)。食事レビュー。【環境の全面改善】大型ケージ(最低80×50×100cm)、スロープ付き多段構造、回し車≥2台、砂浴び週2-3回、フォレージング、複数の隠れ場所、かじり木。【社会管理】デグーは社会性が必須 — 単独飼育は重度ストレス。最低ペア、理想は3-4頭の同性グループ。他個体バーバリング: ビデオ観察で優位個体を特定、一時隔離。【薬物療法(最終手段)】フルオキセチン1-2 mg/kg PO q24h(齧歯類モデルからの外挿)。【創傷ケア】擦過部位のクロルヘキシジン0.05%。二次感染: エンロフロキサシン5-10 mg/kg PO q12h × 7-14日(経口βラクタム系禁忌)。
予防
適切なスキンケア(定期的なブラッシング・シャンプー療法)、ノミ・ダニの予防、アレルゲン曝露の最小化が基本的予防策である。バランスの取れた食事(必須脂肪酸・ビタミン含有)による皮膚バリア機能の維持が重要である。アトピー素因を持つ個体では環境アレルゲンの管理と早期の減感作療法が慢性化予防に有効である。皮膚の異常は早期に獣医師の診察を受けることが推奨される。
予後
慢性度と原因により予後慎重〜やや良好。最近発症でストレス源が特定できれば環境是正後に予後良好(4-8週間で毛の再生)。慢性自己バーバリング(>6ヶ月)はストレス源除去後も持続する常同行動パターンとなりうる。
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