総排泄腔炎(ベントグリート)
概要
細菌、真菌、寄生虫感染による総排泄腔の炎症。
主な症状
原因
皮膚糸状菌(Microsporum canis、Trichophyton mentagrophytes等)の感染が原因である。感染動物との直接接触、汚染環境中の関節胞子(アルスロスポア)への曝露が主要な感染経路である。幼若・高齢・免疫不全個体で感受性が高い。高温多湿環境、過密飼育、皮膚の微小外傷が発症を促進する。人獣共通感染症である。
病態生理
寄生虫は宿主組織に物理的損傷を与え、栄養を奪取し、免疫応答を修飾する。消化管寄生虫は粘膜損傷・吸血・栄養吸収障害を引き起こす。組織移行期の幼虫は機械的組織破壊と好酸球性炎症を惹起する。寄生虫の分泌排泄産物は宿主免疫をTh2応答に偏向させ、Treg誘導により免疫回避を達成する。大量寄生では貧血・低蛋白血症・腸閉塞などの重篤な合併症が生じる。
治療
総排泄腔炎(ベントグリート)の治療: クロアカスワブ培養とグラム染色で原因病原体を同定。細菌性: エンロフロキサシン10-15mg/kg PO/IM q12hまたはトリメトプリム・スルファ30mg/kg PO q12h(培養感受性に基づく)×10-14日間。真菌性(カンジダ): ナイスタチン300,000IU/kg PO q8h、またはフルコナゾール5-10mg/kg PO q12h。寄生虫性(クリプトスポリジウム): 一貫して有効な治療法はない、パロモマイシン100mg/kg PO q12hは限定的な効果。局所治療: 温生理食塩水でベント周囲を愛護的に洗浄、クロルヘキシジン0.05%リンス、潰瘍化した病変にはスルファジアジン銀クリーム。温座浴(ぬるま湯)をq12hで炎症を軽減。メロキシカム0.5-1mg/kg PO q12hで疼痛・炎症管理。支持療法: SC輸液、バランスの取れた食事。基礎原因(乳頭腫症、総排泄腔脱、卵関連病変)への対処。慢性例では総排泄腔狭窄のモニタリング。
予防
定期的な予防的駆虫プログラムの実施が最も効果的な予防策である。フィラリア予防薬の通年または季節的投与、ノミ・マダニ予防薬の定期使用、環境中の糞便の速やかな除去、中間宿主との接触制限が重要である。新規導入動物の糞便検査と駆虫処理、飼育環境の衛生管理、過密飼育の回避により寄生虫感染リスクを大幅に低減できる。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
関連する薬品
※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます
その他の他の疾患(鳥)
VetDictで鳥の鑑別診断を行う
症状チェッカーを使うVetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。