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フクロモモンガ (Sugar Glider) 生殖器 中等度

陰茎脱出(非嵌頓包茎)

Penile Prolapse (Non-paraphimosis) / 陰茎脱出(非嵌頓包茎)

概要

交尾行動中に一般的な、締め付けを伴わない一過性の陰茎露出。嵌頓包茎に進行する可能性があります。

主な症状

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原因

フクロモモンガの陰茎/半陰茎脱は交尾・排泄時の逸脱後に、腫脹・乾燥・筋の疲弊により陰茎(爬虫類では半陰茎)が退縮できず露出したままとなる病態。感染・外傷・便秘/結石による努責、神経障害が誘因。

病態生理

フクロモモンガの陰茎脱は雄の二又陰茎(bifurcated penis — 有袋類特有)が包皮から脱出する病態。フクロモモンガの陰茎は先端が二叉に分岐し、雌の双子宮に対応する有袋類特有の構造。原因は:(1) 性的興奮後の長時間脱出、(2) 自咬(self-mutilation — フクロモモンガで多い問題行動)、(3) 包皮炎・感染による浮腫、(4) 床材や繊維の陰茎への絡みつき。自咬は単独飼育のストレス、退屈、社会的隔離が原因で、フクロモモンガは社会性が極めて強い種(野生では6-12匹のコロニー) (Booth RJ. Vet Clin Exot Anim 2003;6:415-438)。

治療

即座の管理:脱出組織を温かい滅菌生理食塩水ガーゼで湿潤保持(乾燥は30-60分で不可逆的組織損傷)。自傷防止(フクロモモンガは脱出組織を噛む—必要時エリザベスカラー装着)。評価:組織生存性評価(ピンク/赤=生存;暗紫/黒=壊死;浮腫性だが生存=高張処理で整復可能)。注意:フクロモモンガの陰茎は二股(分岐)—正常な有袋動物解剖;病態と誤認しないこと。整復(生存組織):イソフルラン吸入導入3-4%で鎮静(生殖器操作に短時間鎮静必要)、高張液(50%ブドウ糖または顆粒砂糖)を浮腫組織に10-15分適用し浸透圧的に腫脹軽減。潤滑済み綿棒で愛護的に整復。整復成功なら包皮開口部に巾着縫合(5-0ナイロン)—排尿のための十分な開口確保。巾着縫合は5-7日後に除去。整復後:メロキシカム0.2mg/kg PO/SC q24h 3-5日間、エンロフロキサシン5-10mg/kg PO q12h 7日間予防的投与。壊死組織(非生存):全身麻酔下陰茎切断術(イソフルラン維持1.5-2.5%、前投薬デクスメデトミジン50μg/kg IM+ブプレノルフィン0.03mg/kg IM)。生存組織境界で5-0吸収性縫合にて結紮、必要時尿道方向転換。フクロモモンガは陰茎切断を良好に耐容—会陰尿道瘻造設術による排尿。術後:メロキシカム0.2mg/kg PO q24h 7日間、エンロフロキサシン5-10mg/kg PO q12h 10-14日間、エリザベスカラー10-14日間。根本原因調査:性的フラストレーション(雌なしの未去勢雄—去勢またはペアリング検討)、粗いケージ表面でのマスターベーション(滑らかなポーチ/巣材提供)、嵌頓包茎の既往歴(再発性脱出は包皮異常示唆—包皮開口部の外科的修正が必要な可能性)。再発性脱出:巾着縫合にもかかわらず3回以上なら恒久的包皮形成術または選択的陰茎切断+会陰尿道瘻造設術を検討。

予防

フクロモモンガにおける陰茎脱の予防は飼育環境の安全管理が中心。鋭利物・落下物の除去、滑床対策(マット)、高所からの落下・脱走防止など飼育環境の安全管理。小型動物のケージ内安全(突起物・粗い金網の除去)、他動物との接触管理。交通事故予防(迷子札・マイクロチップ・首輪・リード)。自然災害(地震・火災)対策。

予後

組織が生存可能で整復に成功すれば予後良好。壊死組織や再発性脱出は外科的介入が必要で予後要注意。

関連する薬品

💊 エンロフロキサシン 💊 メロキシカム 💊 ブプレノルフィン 💊 イソフルラン 💊 メデトミジン 💊 デクスメデトミジン

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※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
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