← トップへ戻る
ヘビ (Snake) 神経 緊急

脊椎骨折・椎体脱臼

Spinal Fracture / Vertebral Luxation / 脊椎骨折・椎体脱臼

概要

椎骨骨折や脱臼による不全麻痺・麻痺。

主な症状

※ 症状をクリックすると、その症状を示すヘビの他の疾患を確認できます

臨床徴候

ヘビにおける脊椎骨折・椎体脱臼の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。

原因

ヘビにおける脊椎骨折・椎体脱臼の原因: 椎骨骨折や脱臼による不全麻痺・麻痺。

病態生理

脊椎骨折・椎体脱臼はヘビにおける外傷性・機械的疾患である。罹患組織の構造的耐性を超える外部機械的力により組織損傷が生じる。損傷は出血、浮腫、疼痛を伴う急性炎症カスケードを惹起する。重症度に応じて、血管供給の途絶による虚血、環境微生物による汚染、進行性の組織壊死が生じうる。治癒過程は止血、炎症、増殖、リモデリングの各段階を経る。

診断

X線撮影で椎体の骨折線・脱臼・配列異常を確認(蛇は200-400個の椎骨を持つため全脊椎の撮影には複数ショットが必要)。CT検査で骨折の詳細パターン・脊柱管内の骨片変位を評価。神経学的検査で麻痺の範囲(骨折部位以下の反射消失・運動障害)を確認。CBC・生化学(Ca/P→代謝性骨疾患による病的骨折の除外、CK→筋損傷)。外傷歴の聴取(落下・圧迫・不適切なハンドリング)。蛇の脊椎骨折は予後不良で、完全横断損傷では排泄障害を伴い生活の質が著しく低下する。

治療

ヘビ脊椎折: ① 骨折の多くは栄養性二次性副甲状腺機能亢進症(NSHP)に関連—血清Ca/P・X線で骨密度評価。脊椎骨折は厳格な ケージ制限・脊柱安定化、神経学的評価(運動・感覚・尿便)必須、損傷高位の特定で予後判断。② NSHP合併時はCa・VitD3補充(カルシウム グルコネート 100 mg/kg PO q24h × 2週)とUVB照射 (UVI 2-7、種別)、食事改善が並行必須。③ 安定化: 単純骨折は副木、複雑は外科的固定(mini plate, KE)—外骨格・甲羅は特殊接着剤(epoxy)。④ 鎮痛: メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h、ブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg IM q12-24h、モルヒネ(亀 0.4-1 mg/kg、ヘビ無効—種差大)。⑤ 抗菌薬(開放骨折): セフタジジム 20 mg/kg IM q72h、エンロフロキサシン 5-10 mg/kg PO/IM q24-48h。⑥ POTZ最適化(治癒の前提)、湿度管理、強制給餌。⑦ 経過: X線4-8週毎、爬虫類は癒合が遅い(最大6-12ヶ月)。支持療法(爬虫類): 種別POTZ(preferred optimum temperature zone)維持が免疫機能回復の前提条件。輸液 25-30 mL/kg/日 SC/ICe(ノルモソルR、温熱)、強制給餌(Carnivore Care 等)、メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/IM q24-48h(NSAID持続投与時は腎機能をモニタ)。

予防

脊椎骨折・椎体脱臼の予防には安全で種に適した飼育環境の整備、鋭利物・危険物の除去、適切な取り扱い技術、他の動物との接触時の監視、温度管理、落下防止策が含まれる。

予後

脊椎骨折・椎体脱臼の予後: 早期治療で多くは良好。定期モニタリングで管理可能。

関連する薬品

💊 エンロフロキサシン 💊 メロキシカム 💊 ブプレノルフィン 💊 セフタジジム

※ 薬品名をクリックすると詳細な投与量・副作用情報を確認できます

神経の他の疾患(ヘビ)

ヘビの全疾患を見る →

VetDictでヘビの鑑別診断を行う

症状チェッカーを使う
📋 ヘビの疾患一覧を見る →
※ 本ページの情報は獣医学的参考資料であり、診断・治療の代替ではありません。実際の診療は必ず獣医師にご相談ください。
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。