甲状腺機能低下症
概要
甲状腺機能の低下による代謝減速。肥満や羽毛不良の一因となりうる。
主な症状
※ 症状をクリックすると、その症状を示すオウムの他の疾患を確認できます
臨床徴候
オウムにおける甲状腺機能低下症の臨床徴候はホルモン異常または代謝障害の種類により特異的パターンを示す。糖尿病: 多飲多尿・多食・体重減少。甲状腺機能亢進: 体重減少・多食・多動・心拍数上昇。クッシング症候群: 腹部膨満・脱毛・多飲多尿・薄い皮膚。アジソン病: 元気消失・嘔吐・下痢・電解質異常。低血糖: 振戦・痙攣・意識低下。早期は無症候性に進行することが多く、定期的内分泌スクリーニングが早期発見の鍵。
原因
オウムにおける甲状腺機能低下症の原因: 甲状腺機能の低下による代謝減速。肥満や羽毛不良の一因となりうる。
病態生理
甲状腺機能低下症はオウムにおける代謝・内分泌疾患である。基礎病態はホルモンのフィードバックループ、酵素活性、または基質代謝の調節障害を伴う。循環ホルモン、電解質、代謝中間体のバランス異常が複数の臓器系にわたる細胞機能に影響を及ぼす。代償機構が一時的に恒常性を維持するが、最終的に代償不全に陥り、進行性の臨床的悪化と多臓器への影響を引き起こす。
診断
肥満・羽毛異常(脱羽・変色・成長不良)・沈鬱・寒がりから甲状腺機能低下症を疑う。血清T4低値で疑診するが、鳥類の基準値は種差が大きい。TSH刺激試験で確定(レスポンス不良)。CBC/生化学で高コレステロール血症・高トリグリセリド血症を確認。X線で甲状腺腫大を評価。超音波で甲状腺サイズ・エコーパターンを確認。ヨウ素欠乏食(種子食偏重)が主因であり食餌歴の聴取が重要。鑑別にPBFD・肝疾患・栄養欠乏を考慮。
治療
鳥類の真の甲状腺機能低下症は稀。甲状腺腫(ヨウ素欠乏性、セキセイインコに多い)が圧倒的に多く、経口ヨウ素補給(Lugol液 1滴/30 mL水、2週間)で改善する。真の機能低下症診断時はレボチロキシン 0.02 mg/kg q12-24hを試用(鳥種別データ限定)。支持療法(鳥類): 保温28-30℃(重症は30-32℃)、皮下/骨内輸液 50-100 mL/kg/日 (温乳酸リンゲルまたはノルモソルR)、強制給餌(Emeraid Omnivore/Carnivoreなど 20-30 mL/kg q4-6h)、酸素分圧40%以下を維持しつつ呼吸補助。
予防
甲状腺機能低下症の予防には適切な食事設計、血液検査を含む定期的な健康モニタリング、健康体重の維持、過剰なおやつや不適切な食事の回避、無症候性変化の早期発見時の迅速な介入が含まれる。
予後
甲状腺機能低下症の予後: 薬物療法で管理可能。
内分泌の他の疾患(オウム)
VetDictでオウムの鑑別診断を行う
症状チェッカーを使う関連する疾患
VetDict は獣医師(DVM)が開発した臨床支援ツールです。