ノミ寄生
概要
ノミの寄生により皮膚の刺激と掻痒を引き起こします。
主な症状
原因
皮膚組織に感染する寄生虫が原因。感染期(卵・オーシスト・幼虫)の経口摂取・直接接触・ベクター・経皮侵入で伝播。不衛生・屋外曝露・免疫抑制・ストレスが素因。ハリネズミの食性が特定の寄生虫生活環への曝露を増加させうる。
病態生理
寄生虫は経口摂取・皮膚穿通・ベクター媒介によりハリネズミの皮膚組織に感染を確立する。寄生体は直接的な機械的損傷・栄養競合・免疫病理学的反応を通じて宿主組織を損傷する。寄生体段階の周囲に好酸球性・肉芽腫性炎症が発生する。慢性感染は組織線維化と臓器機能障害に至る。
治療
Archaeopsylla erinacei(ハリネズミノミ)が最多、多頭飼育環境ではCtenocephalides felis/canisも寄生。局所成虫駆除薬: イミダクロプリド10%スポットオン(アドバンテージ)0.1 mLを棘間の背部皮膚に塗布 — 24時間以内に成虫駆除、ハリネズミに安全。代替: セラメクチン(レボリューション)6-18 mg/kg 局所、月1回反復。ルフェヌロン(プログラム)30-45 mg/kg PO 月1回(昆虫成長制御剤、卵発育阻害)— 成虫駆除薬と併用で統合的ノミ管理。フィプロニル: ハリネズミでは使用禁忌 — 神経症状・死亡を含む毒性報告あり。ニテンピラム(コンフォティス/キャプスター)1 mg/kg PO — 重度寄生に対する速効性駆除(30分以内に成虫死滅、残効なし)。ノミアレルギー性皮膚炎(ノミ負荷に不釣り合いな著明な掻痒/棘脱落): プレドニゾロン0.5-1.0 mg/kg PO q24h 3-5日間の短期投与、またはメロキシカム0.2 mg/kg PO q24h(抗炎症効果)。環境処置が極めて重要(ノミ生活環の95%は宿主外): 全寝具を60℃以上で洗濯、ケージを徹底清掃、ペルメトリンまたはメトプレン系スプレーで環境処理(処理中はハリネズミを移動)、2週間後に反復。同居動物(犬・猫)を全て同時に処置。ノミ刺咬性皮膚炎からの二次皮膚感染: クロルヘキシジン0.05%外用リンス、膿皮症がある場合はアモキシシリン・クラブラン酸12.5-25 mg/kg PO q12h。参考文献: Ivey & Carpenter (2012); Bexton & Robinson (2003) Vet Rec。
予防
ノミシーズン中または多頭飼育環境では年間を通じてイミダクロプリド・スポットオン(アドバンテージ)またはセラメクチン(レボリューション)の月1回予防投与。環境管理: 定期的な寝具交換(最低週1回)、居住スペースの掃除機がけ、昆虫成長制御剤で家庭環境を処理。新規ハリネズミは30日間検疫しノミ櫛で検査。同居の犬・猫全てに適切なノミ予防薬を投与。フィプロニル製品は絶対にハリネズミに使用しないこと。
予後
適切な治療と環境管理で予後良好。若齢または衰弱したハリネズミの重度寄生は貧血(PCV<25%)を引き起こし、鉄剤補給と栄養サポートが必要。ノミアレルギー性皮膚炎は無治療で慢性的な棘脱落の原因となる。環境処置を怠ると再寄生が頻繁に発生。
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