停留精巣
概要
片方または両方の精巣が陰嚢に下降しない状態。停留精巣は腫瘍のリスクが増加します。
主な症状
原因
ハムスターにおける停留精巣の原因: 片方または両方の精巣が陰嚢に下降しない状態。停留精巣は腫瘍のリスクが増加します。
病態生理
停留精巣はハムスターにおける腫瘍性疾患である。癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、DNA修復機構における遺伝子変異の蓄積により腫瘍性形質転換が生じる。制御不能な細胞増殖により腫瘍が形成され、局所組織への浸潤・破壊の可能性がある。悪性腫瘍はリンパ行性または血行性に転移しうる。高カルシウム血症、悪液質、免疫調節障害などの腫瘍随伴症候群が原発腫瘍に伴い、罹患率に寄与することがある。
治療
ハムスターの停留精巣: 【注意】雄ハムスターの精巣は体に対して非常に大きく、寒冷・ストレス・ハンドリングに反応して鼠径管/腹腔に退縮する。温暖環境(25-28℃)で穏やかにハンドリングして真の停留精巣を確認——両側精巣退縮は生理的な場合がある。【診断】温暖環境でリラックスしたハムスターの鼠径部・尾側腹部触診。精巣が触知できなければ腹部超音波——停留精巣は通常小型・低エコー。【精巣摘出術(推奨)】確認された停留精巣には両側去勢が第一選択。停留精巣はセルトリ細胞腫・精上皮腫・間質細胞腫のリスクが著しく上昇(犬で13.5倍——ハムスターでも同様の傾向)。手技: イソフルラン麻酔(チャンバー導入3-4%、ノーズコーン維持1.5-2.5%)。鼠径停留: 標準鼠径アプローチ、必要時鼠径輪切開、精巣摘出、精索を5-0吸収糸で二重結紮後切除。腹腔停留: 腹部正中切開、精巣確認(通常同側腎臓近傍または鼠径輪付近)、結紮切除。腹壁5-0吸収糸、皮膚6-0吸収糸またはティッシューグルー。術中37℃保温パッド必須。術後: メロキシカム0.2mg/kg PO/SC q24h×5日、ブプレノルフィン0.05-0.1mg/kg SC q8-12h×24-48h。腹腔アプローチ時は抗菌薬: エンロフロキサシン5-10mg/kg PO q12h×5日。通常12-24時間で食欲回復——術後24h摂食なしならCritical Careシリンジ給餌。切除精巣は病理組織検査(腫瘍性変化の評価)。手術を飼い主が拒否した場合: q3-6ヶ月で腹部触診/超音波による腫瘍モニタ。罹患個体は繁殖から除外。参考文献: Harkness & Wagner (1995), Percy & Barthold (2007), Quesenberry & Carpenter (2012)。
予防
停留精巣のハムスターを繁殖に使用しない——遺伝的素因は遺伝性。温暖環境で繁殖雄の両側精巣下降を確認。ペットハムスターの早期去勢は精巣位置に関係なく腫瘍リスクを排除。
予後
精巣摘出術後の予後は優れている——根治的で腫瘍リスクを排除。未治療では生涯(2-3年)にわたる精巣腫瘍の重大なリスク。腹腔停留精巣摘出は鼠径アプローチよりやや手術リスクが高いが、適切な麻酔管理で良好に耐容。
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