流涎症
概要
通常は歯科疾患に続発する過度の流涎で、顎や胸部の被毛が濡れて固まります。
主な症状
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原因
チンチラにおける流涎(歯科関連)の原因は歯垢・歯石蓄積による細菌性炎症(歯周病)、不正咬合、外傷性歯破折、根尖周囲膿瘍、過長歯(草食動物・げっ歯類)、悪性腫瘍(口腔扁平上皮癌・線維肉腫)が主要因。草食動物(ウサギ・モルモット・チンチラ・デグー)では歯は生涯成長し、繊維質不足・遺伝性不正咬合・外傷で過長歯と臼歯スパイク形成が起こる。早期口腔ケアと年1回の歯科スケーリングが予防の基盤。(チンチラはフィプロニル致死、経口β-ラクタム禁忌)
病態生理
チンチラにおける流涎(歯科関連)の病態生理は歯・歯周組織・咬合の異常により摂食機能と全身状態が障害される。歯周病ではプラーク細菌→歯肉炎→歯周ポケット形成・歯槽骨吸収→歯の動揺・脱落の進行とともに、菌血症を介した全身臓器への影響を生じる。草食・げっ歯類の不正咬合では常生歯の過長・スパー形成により口腔粘膜傷害・疼痛・摂食困難を来す。歯根尖膿瘍では根尖部感染が顎骨・眼窩へ波及する。摂食低下は二次的な消化管うっ滞・肝リピドーシス等の致死的病態を誘発しうる。
治療
基礎疾患である歯科疾患の治療 — 流涎症はチンチラではほぼ常に臼歯不正咬合/過長に続発。イソフルラン麻酔下での臼歯削正(臼歯過長症プロトコル参照)。慢性湿潤による顎部皮膚炎:固まった被毛を優しくカットし、希釈クロルヘキシジン0.05%で洗浄、二次性細菌感染があればムピロシン2%軟膏をq12h × 7-10日間塗布。顎部を乾燥に保つ — 無香料コーンスターチ等の軽い吸収性パウダーを考慮。栄養サポート:クリティカルケア(Oxbow)シリンジ給餌 50-80 mL/kg/日を4-6時間毎。疼痛管理:メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/SC q24h。脱水時はSC輸液(LRS 20-40 mL SC q12h)。回復期間中は体重を毎日モニタリング。経口ペニシリン系、リンコマイシン、クリンダマイシン、エリスロマイシンは絶対に使用しない(後腸発酵動物で致死的腸内細菌叢異常)。予後は基礎歯科疾患の重症度に依存 — 初期不正咬合は進行した根尖伸長より転帰が良好。参考:Crossley, BSAVA Manual of Rabbit and Rodent Dentistry.
予防
チンチラにおける流涎(歯科関連)の予防は適正体重・適切な栄養・適度な運動が3本柱。発達性疾患予防: 成長期の過剰カロリー回避、適切なカルシウム/リン比、過度な運動の回避。OA予防: 適正体重維持、関節サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン・MSM)、低衝撃運動。骨折・外傷予防: 安全な飼育環境、リード散歩、滑床対策。代謝性骨疾患予防: 適切な栄養とUV-B(爬虫類・若齢動物)。
予後
疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。
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