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チンチラ (Chinchilla) その他 中等度

流涎症

Slobbers (Ptyalism) / 流涎症

概要

通常は歯科疾患に続発する過度の流涎で、顎や胸部の被毛が濡れて固まります。

主な症状

食欲不振 よだれ・流涎 顎の被毛固着 体重減少 濡れた顎

原因

加齢に伴う組織の進行性変性と修復能力の低下が基本的な病態基盤である。軟骨・椎間板・神経組織などの再生能力が限られた組織で特に顕著に進行する。遺伝的素因、過体重による慢性的な機械的負荷、反復性微小外傷、血管障害による栄養供給低下、慢性炎症が変性過程を加速させる。経過は進行性かつ不可逆的であることが多い。

病態生理

変性疾患の病態生理は組織の慢性的な構造的・機能的劣化である。関節軟骨では機械的負荷によるコラーゲン線維の断裂とプロテオグリカンの喪失が進行し、軟骨下骨のリモデリングと骨棘形成が続発する。マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と炎症性サイトカイン(IL-1β、TNF-α)が分解を促進する。神経変性では異常タンパク質の蓄積��酸化ストレス、ミトコンドリア機能障害が神経細胞死を引き起こす。

治療

基礎疾患である歯科疾患の治療 — 流涎症はチンチラではほぼ常に臼歯不正咬合/過長に続発。イソフルラン麻酔下での臼歯削正(臼歯過長症プロトコル参照)。慢性湿潤による顎部皮膚炎:固まった被毛を優しくカットし、希釈クロルヘキシジン0.05%で洗浄、二次性細菌感染があればムピロシン2%軟膏をq12h × 7-10日間塗布。顎部を乾燥に保つ — 無香料コーンスターチ等の軽い吸収性パウダーを考慮。栄養サポート:クリティカルケア(Oxbow)シリンジ給餌 50-80 mL/kg/日を4-6時間毎。疼痛管理:メロキシカム 0.2-0.5 mg/kg PO/SC q24h。脱水時はSC輸液(LRS 20-40 mL SC q12h)。回復期間中は体重を毎日モニタリング。経口ペニシリン系、リンコマイシン、クリンダマイシン、エリスロマイシンは絶対に使用しない(後腸発酵動物で致死的腸内細菌叢異常)。予後は基礎歯科疾患の重症度に依存 — 初期不正咬合は進行した根尖伸長より転帰が良好。参考:Crossley, BSAVA Manual of Rabbit and Rodent Dentistry.

予防

適正体重の維持が最も重要な予防因子であり、過体重による関節・脊椎への慢性的負荷を回避する。適度な低衝撃運動による筋力維持、関節サプリメント(グルコサミン・コンドロイチン・オメガ3脂肪酸)の早期導入、滑りやすい床面の回避が推奨される。大型犬では成長期の過剰な栄養摂取と運動負荷の制限が骨関節疾患の予防に重要である。

予後

疾患の重症度、治療開始の早さ、治療反応により異なる。早期の適切な治療介入で一般に予後改善。

関連する薬品

💊 クリンダマイシン 💊 メロキシカム 💊 リンコマイシン 💊 エリスロマイシン 💊 ムピロシン 💊 イソフルラン 💊 クロルヘキシジン 💊 クリティカルケア(オックスボウ) 💊 リンコマイシン

※ 薬品辞書で詳細な投与量・副作用情報を確認できます

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