四肢骨折
概要
ケージの器具への挟み込みや回し車による事故で起こる四肢の骨折です。
主な症状
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臨床徴候
ハリネズミにおける四肢骨折の臨床徴候は罹患部位と病態の急性/慢性により異なる。急性外傷: 跛行(非荷重)・腫脹・疼痛・変形(骨折・脱臼)。慢性変性: 起立困難・運動不耐性・跛行(運動後悪化・寒冷で悪化)・関節腫脹(OA等)。発達性異常: 子犬期から軽度跛行(股関節・肘関節形成不全)。感染性: 発熱を伴う関節腫脹・疼痛(敗血症性関節炎)。
原因
ハリネズミにおける四肢骨折の原因: ケージ内の器具(回し車のスリット、ワイヤーフロア)への足の挟み込み、落下事故、不適切な取り扱いが主因。ハリネズミの四肢は細く脆弱で骨折しやすい。代謝性骨疾患(MBD)による骨脆弱化も素因となる。
病態生理
ハリネズミの四肢骨折では、機械的外力が骨の強度を超えて皮質骨の断裂を引き起こす。周囲軟部組織の損傷、出血、炎症が伴う。ハリネズミは体が小さく四肢が細いため、骨折の固定が技術的に困難である。疼痛とストレスにより丸まり行動が増加し、診察・治療を困難にする。
診断
四肢骨折の診断は、跛行・患肢の変形・腫脹・疼痛・挙上肢位を呈するハリネズミで行う。落下事故・ケージワイヤーへの肢の巻き込み・回し車の事故が主な原因である。丸まり防御のためイソフルラン鎮静下で患肢を触診し、異常可動性・捻髪音・変形を確認する。X線撮影(2方向)で骨折の部位・種類・転位を評価する。ハリネズミの四肢骨は細く、適切な固定材料の選択が重要である。開放骨折では創部の培養を行い、病的骨折(骨腫瘍)の可能性も3歳以上では考慮する。
治療
ハリネズミ四肢折: ① 小型・骨脆弱性が外科的固定を難しくする—保存的治療(副木)が多い。四肢骨折は副木またはTape splint、長管骨は外科固定検討、関節を跨ぐ場合は早期可動域訓練。② 安定化: 副木(Robert Jones、軽量副木)またはケージ制限、4-6週で癒合。③ 重症・長管骨は外科的固定(mini IM pin、外固定)—専門医推奨。④ 鎮痛: メロキシカム 0.5-1.0 mg/kg PO q12-24h、ブプレノルフィン 0.01-0.05 mg/kg SC q8-12h。⑤ 開放骨折: 培養感受性後の抗菌薬(草食種は経口β-ラクタム禁忌、エンロフロキサシン 5-10 mg/kg PO q12-24h)。⑥ ケージ制限: ステップ・ハンモック撤去、床に柔らかいパッド、シリンジ給餌で活動を最小化。⑦ 経過: X線3-4週毎、若齢は癒合早い(2-4週)。支持療法(小型哺乳類): 等張輸液 80-100 mL/kg/日 SC/IV、保温(26-28℃)、シリンジ給餌(Critical Care/Recovery 50-90 mL/kg/日を3-4回分割)、メロキシカム 0.5-1.0 mg/kg PO q12-24h で疼痛・炎症管理。
予防
予防には適切な飼育管理(適切な食事・清潔な環境・最適な温湿度);定期的な獣医師の健康診断;新規動物の検疫;ストレス軽減;種特異的予防措置が含まれる
予後
外傷の予後は損傷の重症度と合併症の有無に依存する。軽度外傷は適切な創傷管理で予後良好。重度外傷、多発骨折、脊髄損傷は予後慎重〜不良。早期治療と適切な疼痛管理が回復を促進する。
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